小池百合子東京都知事は3月23日、記者会見を開き、新型コロナウイルスに関する新たな対応方針を発表した。
小池知事は都の傾向として海外帰国感染者や、感染源の確認できない感染者が増えていると報告。世界各地で都市封鎖(ロックダウン)が起こっており、在留邦人の帰国が感染者集団(クラスター)やメガクラスターにつながりかねないとして、最悪感染者の急激な増加(オーバーシュート)が発生しかねない状況であると見解を述べた。
その上で、都民に対して4月12日までの3週間、換気の悪い密閉空間、多くの人の密集、近距離での会話が発生する行動を避けるよう要請。ライブハウスやスポーツジムなどの施設利用、イベント開催も自粛するよう呼びかけた。
小池知事は「この3週間がオーバーシュートが発生するか否かの大変重要な分かれ道だ」と語り、特に無症状である若年層から高齢者や基礎疾患のある人への感染、重症化の防止に重点を置く。3週間という期間の根拠としては、専門家である国立国際医療研究センター・国際感染症センターの大曲貴夫センター長が「今から対策をしたとして、現在潜伏期間にある患者が病院を訪れるのは2週間後となる。そこからさらに1週間様子を見る必要がある」と説明した。
また、東京五輪・パラリンピックの延期について小池知事は「これまで再三中止はありえないと言ってきた。都民の健康を守ることを最優先する」としつつ、最も重要なステークホルダーとして国際オリンピック委員会(IOC)にしっかり意見を述べていくと語った。